1958年,小学校学習指導要領


第1章,総則 第1,教育課程の編成 1,一般方針  小学校の教育課程は、国語、社会、算数、理科、音楽、図画工作、家庭および体育の各教科(以下各教科と いう。)ならびに道徳、特別教育活動および学校行事等によって編成するものとすることとなっている(学校 教育法施行規則(以下「規則」という。)第24条第1項。) ……(中略:飯國)…… 第3,道徳教育  学校における道徳教育は、本来、学校の教育活動全体を通じて行うことを基本とする。したがって、道徳の 時間はもちろん、各教科、特別教育活動および学校行事等学校教育のあらゆる機会に、道徳性を高める指導が 行われなければならない。  道徳教育の目標は、教育基本法および学校教育法に定められた教育の根本精神を一貫して失わず、この精神 を、家庭、学校その他各自がその一員であるそれぞれの社会の具体的な生活の中に生かし、個性豊かな文化の 創造と民主的な国家及び社会の発展に努め、進んで平和的な国際社会に貢献できる日本人を育成することを目 標とする。  道徳の時間においては、各教科、特別教育活動および学校行事等における道徳教育と密接な関連を保ちなが ら、これを補充し、深化し、統合し、またこれとの交流を図り、児童の望ましい道徳的習慣、心情、判断力を 養い、社会における個人のあり方についての自覚を主体的に深め、道徳的実践力の向上を図るように指導する ものとする。 第2章,各教科 第2節,社会 第1,目標 1,具体的な社会生活の経験を通じて、自他の人格の尊重が民主的な社会生活の基本であ,ることを理解させ、  自主的、自律的な生活態度を養う。 2,家庭・学校・市町村・国その他いろいろな社会集団につき、集団における人と人との,相互関係や、集団と  個人、集団と集団との関係について理解させ、社会生活に適応し、,これを改善していく態度や能力、国際  協調の精神などを養う。 3,生産・消費・交通その他重要な社会機能やその相互の関係について基本的なことがら,を理解させ、進んで  社会的な協同活動に参加しようとする態度や能力を養う。 4,人間生活が自然環境と密接な関係をもち、それぞれの地域によって特色ある姿で営ま,れていることを、衣  食住などの日常生活との関連において理解させ、これをもとに自然,環境に対応した生活のくふうをしよう  とする態度、郷土や国土に対する愛情などを養う。 5,人々の生活様式や社会的な制度・文化などのもつ意味と、それらが歴史的に形成され,てきたことを考えさ せ、先人の業績やすぐれた文化遺産を尊重する態度、正しい国民的,自覚をもって国家や社会の発展に尽くそ うとする態度などを養う。  上にあげた社会科の目標は、相互に密接な関連をもつものであるが、特に社会科はわが国における民主主義 の育成に対して重要な教育的役割をになう教科であるから、主として目標2から5までのいずれかにかかわる 場合においても、常にその指導の根底には目標1が考慮されなければならない。  社会科は、社会生活に対する正しい理解を得させることによって、児童の道徳的判断力の基礎を養い、望ま しい態度や心情の裏づけをしていくという役割をになっており、道徳教育について特に深い関係をもつもので ある。したがって、社会科の指導を通して育成される判断力が、道徳の時間において児童の道徳性についての 自覚として一層深められ、この自覚がふたたび社会科における学習に生きてはたらくように指導することが望 ましい。以下に示す各学年の目標は、次のような児童の発達段階に応じた社会科の特性を考慮して作成したも のである。すなわち、低学年では、児童の日常生活における諸経験を整理、発展させながら、身近な社会生活 をささえている人々の仕事や物事の働きなどに着目させ、これらの意味を正しく理解させることを通して、社 会生活に対する正しい見方、考え方の基礎や集団の一員としての自主的、自律的な生活態度の芽生えを育てる ことが重点であって、社会事象に対するあまり立ち入った解釈や批判をしいてもたせようとすることは適切で はない。学年がすすむにつれ、ものごとを系統的に考える力や、社会事象相互の関係を追求したり、判断的に 考える力なども次第に発達してくるので、このような特性をじゅうぶん生かしながら、社会科の目標を有効に 達成するように配慮したいものである。